【医師監修】泡沫状便の5つの原因と対処法|深刻な病気のサインを見逃さないで

便に泡が混じるのはなぜ?泡沫状便が警告する病気のサインと緊急性を医師が解説

便の状態は健康のバロメーター。泡沫状便が続く場合、軽度の消化不良から膵炎感染症まで、様々な疾患の可能性があります。本記事では泡沫状便の5大原因と具体的な対処法を、最新の医学データに基づいて解説します。

泡沫状便の5大原因|症状別危険度チェック

便が泡立つ主なメカニズムは「腸内ガスの増加」と「脂肪・粘液の過剰分泌」。代表的な原因を症状別に比較表で解説します。

泡沫状便の原因比較表
原因特徴的症状危険度
感染症発熱・血便・激しい腹痛★★★
過敏性腸症候群便秘と下痢の繰り返し★★☆
吸収不良症候群体重減少・脂肪便★★★
術後影響一時的な下痢★☆☆
膵炎上腹部痛・背部痛★★★

1. 感染症|細菌・ウイルス・寄生虫のリスク

感染症による泡沫状便の特徴

カンピロバクターやロタウイルスなど、病原体が腸内でガスを発生させるケースが多く、38℃以上の発熱血便を伴う場合は緊急受診が必要です(厚生労働省ガイドライン)。

2. 過敏性腸症候群|ストレスとの関連性

日本人の約10%が罹患するIBSでは、腸管運動の異常により粘液が増加。特徴的な白色の粘液が泡状便を作ります。

3. 吸収不良障害|セリアック病の実態

グルテン不耐症の場合、小腸の絨毛が萎縮し脂肪吸収が阻害されます。未消化の脂肪が便の泡立ちを引き起こし、ビタミン欠乏症を併発するリスクがあります。

4. 腹部手術後の経過観察

術後ケアの重要性

腸管切除後3ヶ月間は短腸症候群による下痢が続く場合があります。日本消化器病学会の指針では、1日6回以上の水様便が続く場合は栄養療法を推奨しています。

5. 膵炎|命に関わる危険性

アルコール性膵炎患者の60%に脂肪便が確認されます(日本消化器病学会データ)。上腹部痛+背部痛が持続する場合は即日受診が必要です。

乳児の泡沫状便|母乳栄養の適切な管理法

母乳栄養のポイント

片乳20分以上の授乳で後乳を充分に摂取させることで改善可能。ただし、体重増加不良を伴う場合は乳糖不耐症の可能性があるため小児科受診を推奨します。

専門医が教える適切な対処法

  1. 感染症:経口補水液+抗菌剤療法
  2. IBS:低FODMAP食の導入
  3. 吸収不良:ビタミンサプリメント補充
  4. 膵炎:絶食+酵素補充療法

緊急受診が必要な6つの兆候

  • 持続する38℃以上の発熱
  • コーヒー色の吐血
  • 意識レベルの低下
  • 1時間以上続く激痛
  • 皮膚の弾力性低下(脱水症状)
  • 24時間以上の排尿なし

泡沫状便が3日以上続く場合、自己判断せず消化器内科を受診しましょう。早期発見が重症化を防ぐカギです。